さやかのクラスに先月くらいから新しいお友達がやってきた。
両親ともブラジル人の男の子だ。
日本語も全く話せず、英語も話せず、日本人ばかりの幼稚園にだ。
体格がとても大きい子で、他の子と並ぶと、体半分くらい飛び出そうな感じである。
年長さんの中に、一人だけ小学校3年生くらいの子が混じってるように見える。
最初の頃は、教室にも入れず、毎朝泣いて可哀想だったし、
先生も言葉が通じないので体を張って会話して、大変そうだった。
近頃は少し慣れてきて、教室で工作なんかも出来るようになった。
その子の名前はRくん。
普段は結構、乱暴なことも多いらしく(言葉が通じないイライラもあるんだろうね)
友達の頭にキックして傷を作ったり、砂を投げつけたり、色々トラブルも多い。
そのRくん、近頃はさやかや数人の女の子と遊んでいるらしい。
でも、名前をなかなか覚えてくれず、間違って「さくらちゃん!」とか呼ばれちゃうと、笑って話してくれた(笑)
そして、Rくんと遊ぶ理由をぽつりと教えてくれた。
「ふだんは、Rくんって乱暴だから、一緒に遊んであげたら、優しくなるかなあって思って。」
だって!
はあ、その理由にビックリ!
彼女なりの乱暴くんへの対処法!?
Rくんの言葉が通じなくて、新しい環境になじめなくて、お友達も作れない、
そんな寂しい気持ちを察してあげたのだろうか。
私も見かけるとこの親子には必ず声を掛けていた。
そんな姿を見ていたのだろうか。
とにかく、知らん振りしているより、よっぽどいい。
色んなことを、吸収しておいでね、と
影から応援中なのであった。