彼岸花と祖母
b0013832_2339222.jpg


今日は私の父方の祖母の葬式だった。
88歳だった。

孫の中でも、私は特にこの祖母に顔が似ていて、
年をとったらこんな風なおばあちゃんになるんだなって
そう思ってきた人。
私に命を繋いでくれた、大切な人。

今、晩年の彼女のことを少し書き留めて置きたいと思う。

彼女がボケてしまってから、随分になる。

初めてその現実に遭遇し、
その後、ぽかぽかの日だまりの中、
家の前の田んぼのあぜに”ちょこん”と小さく丸くなって
ただただボーっと座って眺めている姿を見て、
なんともいえない気持ちに襲われて(老いというものの現実を突きつけられたような)
涙が溢れてきたこともあった。

10年前に祖父が亡くなった時には、
もうそのこと自体が理解できなくて、
いつまでも「おじいさん」と一緒に暮らし続けた。
そんな姿を見て、悲しみに打ちひしがれる姿を見るより、
ボケてしまっていて、彼女は幸せだったのかも知れないと
そんなことを考えたりもしたものだった。

もう少しボケが進むと、
彼女はどんどん少女になっていった。
今住んでいる家が自分の家でないと泣き、
気付くと何キロも離れた実家にひとりで歩いて帰ろうとした。

先月、会ったときには、
何年ぶりかに手を握り、写真を一緒に撮った。
全く反応がなくなっていると言われたのに、
孫や私を見てにっこりしたり、
目に輝きを宿して「いい子だ、この子は・・!」と話したりしてくれた。

それでも、以前に田んぼのあぜに座っていた姿とは違って、
この日のこの姿は、穏やかで、なにか超越してしまっている感じ、
既に「神聖な何か」になっていると感じたのだった。

今日葬式で会ったときは既に彼女は、彼女の姿かたちをしていなくて、
小さな箱となっていた。

山あいにひっそりある集落の一軒である祖母宅。
窓から見える景色は一面の山・山・山のみ!
参列者も少なく、ひっそりと身内で行われたその式も終わり、
弟夫妻と祖母宅の前にある栗の木の下で栗を拾っていた。

周りを見回すと、一面の彼岸花。
真っ赤な彼岸花。
一年にこの時期だけ、いっせいに咲き誇る毒花。


これから、毎年この彼岸花を見るたび、
祖母のことを思い出すに違いない。
いや、思い出そうと心に決めた。

そして、こんなにも人の死を印象付けるのにふさわしい花は無いと思った。
私も、将来、こんな印象的な時期に死ねたらいいなと思った程だった。
[PR]
by gie_bog | 2005-09-30 00:12 | Other
<< 輪廻転生 戦いごっこ >>


  / 日常のひとこま /    なんでもない日々がきっと幸せ
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
LINK
私的生活レシピ帳
....管理人GIE(ぢえ)の石鹸生活や絵本等の情報を掘り下げて紹介するblog!

Bloom
....Flower & Zakka

土にまみれて天を仰ぐ

doremiのまいにち

photo cafe

TAI-TOWN


英語で子育て

ベアミネラル研究所


INAX ライブミュージアム

PHOTOHITO









***********
English Here
これをクリックすると、このblog全体を英語に訳して表示してくれます。









最新のトラックバック
クリスマスツリー出しました。
from Breath of Green
ZCの絵日記はこんな感じ。
from Breath of Green
無農薬の最新ニュース
from e食「いいしょく」~無農薬/..
「化石」が掘りたい~!!
from Breath of Green
[
from Breath of Green
[
from Breath of Green
自分との戦い
from Breath of Green
突撃!隣のブログ・TV出..
from 突撃!隣のブログ・TV出演可..
今年も作ったよ!ハンドメ..
from Breath of Green
ソフトバンクホークス交流..
from ソフトバンク ホークスが優勝..
ライフログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧